映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』ネタバレ&考察!

ナイブズ・アウト_アイキャッチ

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』のネタバレ&考察を紹介します。

豪華な屋敷で大富豪の不可解な突然死。

誰が犯人でもおかしくない彼の家族たち。

予想できない衝撃のラストは必見です!

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』を見たことがない人も、あらためて復習した人も、ぜひ本記事を参考にしてください。

目次

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の作品情報

原題Knives Out
タイトルナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
監督ライアン・ジョンソン
脚本ライアン・ジョンソン
公開年2020年
キャストダニエル・クレイグ
アナ・デ・アルマス
クリストファー・プラマー
クリス・エヴァンス ほか
制作国アメリカ
上映時間130分
ジャンルミステリー

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』のあらすじ【ネタバレなし】

大富豪の不可解な突然死。容疑者は被害者一族全員。

人里離れた屋敷で、家主の大富豪・ハーランの遺体が発見された。

死因は首をナイフで切られたことによる失血死。

一度は自殺で片づけられたが、匿名で再捜査の依頼を受けた名探偵・ブランと警察が事情聴取のために屋敷を訪れる。

順風満帆なハーランの突然の死。

怪しすぎる彼の家族たち。

この事件の裏に隠された衝撃の真相とは……。

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の感想【ネタバレなし】

個性的な登場人物たちが魅力的!予想外のラストに誰もがだまされる!

舞台は人里離れた豪華な屋敷。

全員殺害の動機がある被害者の家族たち。

そこに現れる名探偵。

いかにもミステリーな雰囲気。

登場人物がみんなそろって怪しいので、誰が犯人なのか予想がつきません。

そしてどこか抜けている名探偵・ブラン。

名探偵といえば完璧でクールなイメージですが…。

ブランは本当に名探偵なの?と思わせるような人柄です。

そんな不完全な名探偵だからこそ魅力的なのかもしれません。

登場人物の回想や証言で次第に明らかになっていく事件の真相。

ラストのとんでもないどんでん返しは圧巻です。

ふんだんなコメディ要素。

徐々に明かされる事件解明への鍵。

さまざまな伏線。

130分という長めの映画ですが、最後までまったく飽きませんでした。

以下、ネタバレを含みます

主な登場人物とキャスト

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の主な登場人物とキャストを紹介します。

ブノワ・ブラン(演:ダニエル・クレイグ)

匿名の依頼を受けて事件の捜査に訪れた名探偵

ハーランの看護師・マルタが証拠を隠滅するのを見逃すような、どこか抜けた人物です。

しかし最初からマルタの事件への関与を疑うなど、探偵としての腕は確かな様子。

自身の探偵観を急に語り出すちょっと変な人です。

マルタ(演:アナ・デ・アルマス)

ウルグアイ移民で、ハーランを献身的に支える看護師。

心優しい人柄です。

ハーラン一家からは家族の一員として受け入れられています。

嘘をつくと吐いてしまう特殊な体質の持ち主。

ハーラン(演:クリストファー・プラマー)

ミステリー作家として一代で莫大な富を成した一族の主。

ナイフで首を切られて死亡しました。

自分に寄生する家族たちを心配しています。

マルタのことは友だちだと思っており、誰よりも大事にしていました。

リンダ(演:ジェイミー・リー・カーティス)

ハーランの長女。

派手なスーツを身にまとい、気の強そうな女性です。

ハーランに金を借りて不動産会社を経営しています。

父とは2人にしかわからない方法で通じあっているそう。

リチャード(演:ドン・ジョンソン)

ハーランの長女・リンダの夫。

不倫していることをハーランに知られ、そのことを妻に教えると言われ口論に…。

ランサム(演:クリス・エヴァンス)

リンダとリチャードの息子。

ハーランの孫にあたります。

定職にはつかず、祖父にお小遣いをもらって生活するかなりの問題児。

そんな様子を見かねた祖父から遺産の相続権を剥奪すると言われてしまいます。

ジョニ(演:トニ・コレット)

ハーランの亡き長男の妻。

ハーランの義理の娘にあたります。

化粧品会社の経営者です。

ハーランをうまくだまして娘・メグの学費の援助を二重に受けていました。

そのことがバレて援助を打ち切られることに。

ウォルト(演:マイケル・シャノン)

ハーランの次男。

妻・ドナと息子・ジェイコブの3人家族です。

ハーランの小説の出版社の経営を任されていましたが、作品の映像化をめぐってハーランと対立

突然、解雇を言い渡されます。

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の結末

ブランと警察がハーランの家族たちに事情を聞くと、事件の容疑者が次々と浮上してくる。

家族全員がハーランを殺害するなんらかの動機を持っているのだ。

そこでブランは、嘘をつくと吐いてしまう体質のマルタに協力を求め、真相に迫ろうとする。

まだブランたちは気づいていないが、事件の全容はこうだ。

事件が起こったあの日、家族たちはハーランの誕生パーティーで屋敷に集まっていた。

その夜、マルタはハーランの鎮痛剤と睡眠用のモルヒネを打ち間違えてしまったのだ。

慌てて救急車を呼ぼうとするマルタだったが、ハーランはそれを引き止め、自殺に見せかけるように指示する。

この事件は、マルタの医療ミスと彼女をかばおうとするハーランによるものだったのだ。

その後、亡くなったハーランの遺言で彼の全財産をマルタが相続することとなる。

それによりマルタを敵視するようになるハーラン一家たち。

さらにマルタは「事件の真相を知っている」と何者かによって脅迫される。

疲れ果てたマルタは、医療ミスのことをハーラン一家に伝えることを決意。

しかし、その直前でブランが事件の真相にたどりつく。

実は、薬の取り違えはハーランの孫・ランサムが仕組んだものだった。

遺産がマルタに相続されることを事前に知った彼は、マルタがハーランを殺害するように仕向けて薬を入れ替えていたのである。

(相続者が殺害すると相続権を失うため。)

マルタの遺産相続を阻止するため、ブランに匿名で捜査を依頼したのもランサムだった。

たしかにあの夜、マルタは鎮痛剤とモルヒネのビンを取り違えてしまった。

しかし、実際にはランサムがビンの中身を入れ替えていた。

つまり正しい薬を注射していたためマルタに過失はなく、ハーランによる自殺が事件の真相だったのである。

すべてが明かされ、取り乱したランサムは、近くにあったナイフを手に取り、マルタを刺す。

ところが、そのナイフは刃先が引っ込む芝居用のナイフだった。

ランサムはすぐに取り押さえられ、警察に連行された。

遺言どおりハーランの遺産を相続したマルタは、屋敷のバルコニーに立ってハーラン一家を見下ろす。

これまでマルタを雇い、下に見ていた一家と完全に立場が逆転したのである。

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の感想【ネタバレあり】

前半でマルタの医療ミスが明かされるので、謎解きではなく彼女がいかにピンチを切り抜けるかをたのしみました。

嘘をつくと吐いてしまう体質のマルタ。

こんな体質で証拠の隠蔽なんて無理なのでは?と思いますが、うまいことやっていくのがいいですね。

そしてそれに気づかないブランと警官たちの様子がまたおもしろいです。

ずっとルタが犯人だと思っていたのに、ラストで状況が一変したのには驚きました。

まさか本当に自殺だったとは…。

早い段階で答え合わせがあったと思いきや、この裏切りは最高です。

ミスリードに完全にだまされた…。

また、個性的なハーラン一家も魅力的でした。

一見マルタをあたたかく迎え入れているようですが、言葉の端々に移民や貧しい人への差別意識が垣間見えていましたね。

「自分たちはアメリカで富を築いた選ばれし人間」という意識があったのでしょう。

そして自分たちは施す側の人間なのだと。

ハーランの遺言によって全財産をマルタが相続することになった途端、態度は急変。

これまで「マルタは家族だ」と言っていたのに、「ハーランの本当の家族は自分たちだ」「ドロボウ猫」と罵ります。

心の底ではマルタを見下していたことがはっきりしました。

マルタが「私に頼って。面倒は見るから」と、ハーラン一家に言われた言葉をそのまま返すシーンはスカッとしました。

ラストでマグカップを持ったマルタがバルコニーから一族を見下ろすシーンが印象的です。

このマグカップは屋敷の前主人・ハーランのもの。

今まで立場が逆転したことが、これでもかというほど表現されているね。

コメディ要素をたっぷりと含みつつ、見事な伏線とミスリードで気持ちいいくらいだまされる作品でした。

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の考察

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』で気になったシーンを考察しました。

考察1:タイトルの意味は?

本作のタイトル『ナイブズ・アウト』は何を意味するのでしょうか。

「Knives out」を直訳すると、「ナイフが出ている状態」。

このタイトルには以下の3つの意味が込められているのだと考えます。

  • ハーランがナイフで首を切って自殺する
  • ラストシーンでランサムがナイフを手に取る
  • ハーラン一家が互いにいがみあっている

ハーランがナイフで首を切って自殺する

ナイフで自分の首を切るなんて衝撃的ですよね。

それ以外にも、たくさんのナイフが飾られたオブジェや、ナイフを手にするハーランの姿が映っています。

ラストシーンでランサムがナイフを手に取る

事件の真相が明かされ、マルタにナイフを突き刺すランサム。

これは芝居用のダミーナイフでしたが、びっくりするシーンですよね。

ハーランの「ランサムは本物のナイフと芝居用のナイフの見分けもつかない」という言葉が伏線になっていました。

ハーラン一家が互いにいがみあっている

ハーラン一家は互いに主の殺害を疑い、いがみあっています。

その様子を「ナイフを向けあっている」と例えているようにも感じます。

考察2:ハーランはなぜ自殺を装い、マルタをかばったのか?

薬を打ち間違えたマルタに、ハーランは自殺と見せかけるように指示します。

たしかにハーランが彼女を大切に思っていましたが…。

わざわざ彼女をかばうためだけに自殺するのか?と考えてしまいました。

ラストシーンで自殺の理由が「マルタを守ること」だけではなかったことが判明します。

それは「マルタとハーランの家族を守るため」です。

 ハーランは遺言に「全財産をマルタに相続させる」と残します。

しかし、もしマルタがハーラン殺害の罪に問われると、その遺言は無効になってしまうのです。

一家はみんな執拗に「自分たちの家」「0からつくりあげた」ことを強調します。

しかし、本当に0からつくりあげたのはハーランだけ。

ほかの家族はハーランに寄生しています。

ハーランは、そんな一家に自分の足で立ってほしいと願っていました。

だからこそ、マルタを犯人にするわけにはいかなかったのです。

もし遺産を一家が相続したら、絶対に自立できないからね…。

ラストシーンで長女・リンダが父からの手紙を読んでいましたが、ハーランにとってリンダだけは例外だったのかなと感じました。

リンダは父からお金を借りてはいますが、会社の経営は自分でおこなっています。

半分は自分の足で立っている状態でしょうか。

そんなリンダだから、ハーランは2人だけの手紙のやりとりをしていたのかなと思います。

完全に寄生しているランサム、リチャード、ジョニ、ウォルトに救いの手はなく、バッサリでしたからね。

リンダに夫の不倫を知らせ、彼女の再スタートを後押ししたかったのかもしれません。

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』まとめ

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』のネタバレ&考察を紹介しました。

テンポよく明かされる事件の真相、驚きの結末がおもしろかったです。

個性豊かなキャラクターたちが作品に彩りを加えています。

本作の続編『ナイブズ・アウト: グラス・オニオン』ではどのような謎が待っているのでしょうか。

ブランの活躍に期待しています。

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