映画『日本で一番悪い奴ら』のあらすじネタバレ＆感想を紹介します。
本作は、日本で実際に起こった稲葉事件という北海道警察の不祥事をもとにした作品です。
この記事では、ラストシーンまでネタバレありであらすじを紹介しています。
どんな映画なのか気になっている人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
映画『日本で一番悪い奴ら』の作品情報
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— 日本で一番悪い奴ら (@nichiwaru) May 10, 2016
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| タイトル | 日本で一番悪い奴ら |
| 監督 | 白石和彌 |
| 脚本 | 池上純哉 |
| 公開年 | 2016年 |
| キャスト | 綾野剛 中村獅童 YOUNG DAIS 植野行雄 ピエール瀧 矢吹春奈 ほか |
| 制作国 | 日本 |
| 上映時間 | 135分 |
| ジャンル | サスペンス |
映画『日本で一番悪い奴ら』は実話？もととなった稲葉事件とは？
本作は、稲葉事件という実話がもとになっています。
稲葉事件とは、2002年に北海道警察の稲葉警部（当時）が覚せい剤と銃所持の疑いで逮捕された事件です。
稲葉は違法なルートで銃を入手し、それを正規の捜査で摘発したものとすることで手柄を挙げていました。
この方法は当時の北海道警察内で横行しており、稲葉だけではなく多くの人間が関係していたといわれています。
しかし、実際に有罪となったのは稲葉だけで、ほかの関係者たちはおとがめなしでした。
以下、ネタバレを含みます
主な登場人物とキャスト
映画『日本で一番悪い奴ら』の主な登場人物とキャストを紹介します。
諸星要一（演：綾野剛）
柔道の腕を買われて北海道警察に入った青年。
最初は純朴な青年でしたが、愚直な正義感ゆえに誤った正義の道を歩むことになります。
仲間思いで情に厚い性格です。
黒岩勝典（演：中村獅童）
暴力団の幹部。諸星の違法捜査に協力します。
最終的に諸星を裏切りますが、暴力団が裏で糸を引いていたのだと思われます。
山辺太郎（演：YOUNG DAIS）
元運び屋で、諸星の協力者。ロシア語を話せます。
諸星のことを実の兄のように慕っています。
ラシード（演：植野行雄）
諸星の協力者。盗難車を密輸しています。
諸星を慕っているというよりは、金銭的なつながりのような印象です。
村井定夫（演：ピエール瀧）
諸星の上司で、違法捜査のやり方を教えた張本人。
ハメを外しすぎたことで暴力団に目をつけられ、逮捕に追いこまれてしまいます。
由貴（演：矢吹春奈）
クラブのママで、諸星の恋人。
一連の事件に巻き込まれた陰の被害者ともいえます。
映画『日本で一番悪い奴ら』のあらすじ
映画『日本で一番悪い奴ら』のあらすじを結末までネタバレありで紹介します。
警察にスカウト、村井との出会い
【#日悪 見どころチェック！】なんということでしょう！綾野剛さんの匠の演技で、キレイな新米刑事が日本で一番悪い男に!? 正義感にあふれる諸星要一が、時代が進むにつれてワル～いカオになっていくビフォー＆アフターに注目です！ pic.twitter.com/KHsmTUJQ1d
— 日本で一番悪い奴ら (@nichiwaru) May 16, 2016
1976年、北海道。
諸星は柔道の実力を買われ、北海道警察にスカウトされる。
彼は真面目な性格だったが、警官としては特に成果を挙げられずにいた。
ある日、道警の先輩・村井との出会いが諸星の運命を変える。
村井は諸星に、点数を稼ぐためにはS（＝スパイ）を使えとアドバイスする。
諸星は真面目な性格ゆえにその言葉を真に受け、夜の街で名刺を配りまくって情報提供者を募るのだった。
すると、ある暴力団の構成員がシャブを持っているという情報が入る。
諸星は捜査令状も持たずに構成員の家へ乗り込み、シャブと拳銃を摘発する。
その後、村井と夜の街へくり出した諸星は、クラブのママ・由貴と深い仲になる。
しかし、捜査令状もなしに踏み込んだことで、諸星は暴力団幹部・黒岩から呼び出される。
ビビりながらも必死で渡りあおうとする諸星の態度を気に入った黒岩は、彼と手を組むことにする。
その後、黒岩にはめられた村井が逮捕されたことにより、諸星は勢いを増していくのだった。
エースとしての日々
【#日悪 見どころチェック！】刑事・諸星の元に集った、チーム「日悪」が全員ハマり役!! 運び屋DJ役にYOUNG DAISさんが、パキスタン人の盗難車バイヤー役を植野行雄さん(デニス)が、そしてヤクザの幹部を中村獅童さんが熱演!! pic.twitter.com/CvB5tETBlS
— 日本で一番悪い奴ら (@nichiwaru) May 19, 2016
暴力犯係（マル暴）に異動した諸星は、黒岩から太郎を紹介されて面倒を見るようになる。
太郎を引き連れてすすきのを歩く諸星の姿は、かつての村井のようだった。
さらに盗難車の輸出を手がけるラシードも仲間に加わる。
そんなとき、黒岩が組を抜けるために金を貸してくれるように頼んでくる。
諸星は黒岩のためならと金を工面する。
その後、諸星は銃器対策課へ異動する。
銃器対策課では、どんな手を使ってでも銃器を摘発することが使命だった。
諸星は裏社会のコネを使って次々と銃を摘発する。
こうした違法捜査は道警で黙認されていた。
諸星は上司から依頼を受ければ何丁でも銃を用意するのだった。
ある日、警視庁の長官が銃で撃たれる事件が発生した。
銃器対策課に対して、1丁でも多くの銃を摘発するように上層部から圧力がかかる。
そのため、諸星は東京の暴力団から大量の銃を買うことにした。
しかし、普通の宅配業者を使って銃を運んだことからそのことが発覚し、手柄を警視庁に奪われてしまう。
諸星は違法捜査をおこなうための資金が少なくなってきたことに困り、シャブをさばくことにする。
資金に余裕が生まれたことで、諸星は再び手柄を立てていく。
生活が安定したことで太郎は結婚することになり、諸星も自分のことのように喜ぶのだった。
エースからの転落
『#日悪』最新場面写真が到着！綾野剛さん扮する諸星と、中村獅童さん演じる暴力団幹部・黒岩勝典との2ショット画像が公開となりました!! 70年代ヤクザ映画の登場人物を思わせるような渋い風貌にご注目！ pic.twitter.com/8fW49NMCXD
— 日本で一番悪い奴ら (@nichiwaru) June 6, 2016
諸星と黒岩は、北海道警の指揮のもと銃の裏取引に関わる潜入捜査に参加する。
しかし、諸星が警察であることがバレそうになり、命を落としかける。
黒岩のハッタリでその場はかろうじて難を逃れるも、諸星は上司の岸谷に手柄を横取りされる。
その頃、諸星は由貴のもとへすっかり寄りつかなくなっていた。
その寂しさもあってか、由貴はシャブに手を出してしまう。
一方、諸星はシャブ20kgを密輸させる見返りに、拳銃200丁を摘発する泳がせ捜査を計画していた。
だが実際に密輸されたシャブは130kgもあり、道警の上層部は動揺を隠せずにいた。
さらに黒岩がシャブを持ち逃げしたため、諸星はヤクザと揉めることになる。
以前検挙した大麻1トンを引き渡すことで何とか場を収めたが、拳銃は手に入らなかった。
想定以上のシャブの密輸を黙認させたうえに拳銃も手に入らなかったため、諸星は道警からも責められる。
追い詰められた諸星は、ついに自らもシャブに手を出す。
違法捜査への謝礼を払えずにいたことから、諸星はラシードにまで殺されかける。
結末
『#日悪』が第15回ニューヨーク・アジア映画祭のオープニング作品に決定！さらに、主演の綾野剛さんが同映画祭のライジング・スター賞を受賞することが決定しました！綾野さんの、徹底した妥協なき演技が世界からも注目を浴びています!! pic.twitter.com/eUd7Y8PTlb
— 日本で一番悪い奴ら (@nichiwaru) May 18, 2016
その後、諸星は夕張の生活安全課に異動する。
すっかりやつれて薬物に染まりきった彼には、かつてのエースの面影はなくなっていた。
そんな彼のもとへかつての上司・岸谷が訪れて、太郎に脅迫されていると打ち明ける。
それを聞いた諸星は、札幌にいる太郎に会いに行く。
しかし、太郎は警察から監視され、シノギを潰され、離婚することになっていた。
その元凶である諸星を相手にするはずなどなく、太郎は薬物を持って警察に自首する。
それにより、諸星は逮捕される。
弁護士から「あなたは道警による組織ぐるみの犯罪の被害者だ」と言われるが、諸星はそれを否定する。
被害者どころか、道警には感謝していると言うのだ。
ところが、岸谷と太郎の自殺のしらせを受けると一転して道警の関与を認める。
しかし、この一件で裁かれたのは諸星1人で、関わった人間は今も北海道警察に勤務している。
映画『日本で一番悪い奴ら』の感想
日本で実際にこんな事件が起こっていたなんて信じられません。
最初は純粋に正義を志したはずの諸星。
いや、不正に手を染めたとしても彼にとってはそれが正義だったのでしょう。
エースとして輝いていた諸星が転落していく様子は悲しいものでした。
最初は純粋そのものなんですよね。
由貴と初めて一夜を共にするときも、彼女に言われたことに対して「オッス」と返す体育会系の青年。
それが後半ではヤク中になり、少年からあっけなく投げ飛ばされてしまうのですから…。
太郎とも家族のような深い絆で結ばれていたのに、再会シーンは胸が痛みました。
それにしても、タイトルの「日本で一番悪い奴ら」って誰のことなんでしょう。
諸星たち？
不正捜査に関わった道警？
不正捜査をさせるような圧力をかけた世間？
考えさせられます。
映画のテーマはかなり重いものなのですが、コメディタッチで描かれているのでサクッと見られました。
一連の事件の責任が諸星1人に押しつけられて、上層部の人間は何食わぬ顔で警察に残っているのが恐ろしいですよね。
絶対的な正義であるはずの警察がこうも悪に染まっているなんて…。
もう二度とこんなことがくり返されないことを願うばかりです。
映画『日本で一番悪い奴ら』あらすじと感想まとめ
今回は、映画『日本で一番悪い奴ら』のあらすじネタバレ＆感想を紹介しました。
有罪判決を受けたのは諸星ただ1人だけで、ほかの関係者は何食わぬ顔で過ごしているのが衝撃です。
最初に出会ったのが村井でなければ、諸星はまた別の道を歩んでいたのかなと思います。
非常に考えさせられる内容ながら、軽快な作品でした。