Netflix映画『ノーウェア:漂流』のネタバレあらすじ&感想を紹介します。
政府による大量虐殺から逃れるため、貨物船のコンテナに隠れて国外脱出を目指す妊婦のミア。
しかし、嵐でコンテナごと海へ放り出されてしまい…。
Netflix映画『ノーウェア:漂流』の内容が気になっている人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
Netflix映画『ノーウェア:漂流』の作品情報
◆配信開始
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) September 29, 2023
Netflix映画『ノーウェア: 漂流』(スペイン)
崩壊した国からの亡命中、貨物コンテナに取り残されてしまった妊婦のミア。
激しい嵐で海に放り出されたコンテナの中で、生存を賭けた戦いが始まる。
スペイン発のサバイバルサスペンス。#ノーウェア漂流 pic.twitter.com/MWEaGE4NIO
原題 | Nowhere |
タイトル | ノーウェア:漂流 |
監督 | アルベルト・ピント |
脚本 | アーネスト・リエラ ミゲル・ルス インディアナ・リスタ シアニー・ウィンスロー テレサ・デ・ロセンド |
公開年 | 2023年(Netflixオリジナル作品) |
キャスト | アンナ・カスティーリョ タマル・ノバス ほか |
制作国 | スペイン |
上映時間 | 109分 |
ジャンル | サスペンス |
Netflix映画『ノーウェア:漂流』のあらすじ【ネタバレなし】
広大な海の上を漂流する妊婦。母子の運命はいかに…
資源不足から政府による大量虐殺がおこなわれ、ヨーロッパは荒れ果てていた。
妊婦のミアは子どもを守るため、貨物船のコンテナに隠れて国外脱出を試みる。
しかし、嵐に襲われてコンテナは船から放り出され、海の上を漂流することに。
手元にあるのはわずかな食料と、衣類やプラスチック容器などの雑貨くらいのものだ。
この最悪な状況からミアと子どもは無事に生還できるのか……?
Netflix映画『ノーウェア:漂流』の感想【ネタバレなし】
妊婦×サバイバル!生き抜く決意を持った人間のたくましさが印象的!
海の上でサバイバル生活を送るワンシチュエーション映画です。
特徴的なのは、主人公のミアが妊婦という点。
お腹の赤ちゃんがミアの運命にどう絡んでくるのかが見どころです。
ほとんどコンテナでのシーンばかりですが、全然飽きません。
閉鎖的な空間にいるため、外で何が起きているかわからないからこその緊迫感があります。
さまざまな困難が襲いかかる点も見る人を飽きさせないポイント。
その困難を知恵と工夫で乗りこえていくのが見ていて気持ちいいです。
自分だったらこんなことできない、思いつかないだろうなと思いながら見ました。
ミアは作中でどんどんたくましくなっていくよ。
極限の状況下でいかに生き残るか、人間のたくましさを感じられる作品です。
以下、ネタバレを含みます。
主な登場人物とキャスト
Netflix映画『ノーウェア:漂流』の主な登場人物とキャストを紹介します。
ミア(演:アンナ・カスティーリョ)
妊娠中の女性。
子どもを守るため、国外へ脱出しようとしています。
慎重な性格で、少し心配性なところも。
かつてウマという幼い娘がいましたが、政府によって殺害されてしまいました。
今でも娘の死に責任を感じています。
ニコ(演:タマル・ノバス)
ミアの夫で、一緒に国外脱出を目指しています。
明るく楽観的な性格。
家族を大事にしており、妻や子どもを守るためなら力を惜しみません。
Netflix映画『ノーウェア:漂流』のあらすじ【ネタバレあり】
Netflix映画『ノーウェア:漂流』のあらすじを結末までネタバレありで紹介します。
漂流
深刻な資源不足に対応するため、老人や妊婦、子どもの虐殺がおこなわれているヨーロッパ。
ミアとニコ夫妻は国外脱出を試みていた。
現在ミアは妊娠中であり、子どもを守るために国を出ることを決めたのだ。
2人はブローカーに金を支払い、トラックに積まれた大型コンテナへ隠れる。
なかでは同じ境遇の難民たちが身を寄せあっていた。
ミアは2日前から胎動を感じておらず、無事に国外へ脱出して家族とともに暮らしていけるのか不安を隠せない様子だ。
そんな彼女を励ましながら「昨日より愛してる」とささやくニコ。
ミアは「でも明日以下よ」と返すと、ようやく笑顔を見せた。
しばらくすると、外が騒がしくなった。
難民たちがトラックへ押し寄せてきたのだ。
この混乱に巻きこまれてミアとニコは離ればなれになり、別々のトラックに分かれて港を目指すことに。
その後、政府の検問により、コンテナに難民たちが乗っていることがあっさりとバレてしまう。
ほかの難民たちは守衛に射殺されたが、ミアはコンテナ内に積まれた木箱の上に隠れて難を逃れた。
しばらくしてトラックは港へ到着。
コンテナは船に積まれ、海へ出発した。
ところがその夜、嵐に襲われてミアが隠れているコンテナは海へ投げ出されてしまうのだった。
翌朝、嵐は収まり、ミアのコンテナは海の上を漂っていた。
コンテナに積まれた箱のなかを調べてみるが、中身は衣類やプラスチック容器、テレビ、イヤホンなど、役に立ちそうにないものばかりだ。
壁にあいた穴から外をのぞくと、そこには今にも沈みそうになっているコンテナが。
それはニコが隠れているはずのコンテナだ。
ミアの絶叫も虚しく、ニコのコンテナはそのまま沈んでしまった。
極限のサバイバル
最愛の夫を失ったことに絶望し、自ら命を絶とうとするミア。
そのとき数日ぶりに胎動を感じた。
お腹の子が生きていると知ったミアは、この漂流生活を生き抜くことを決意する。
まずは壁にあいた無数の穴にプラスチック容器のゴムパッキンを詰めて、少しでも浸水を防ぐことに。
さらにプラスチック容器でコンテナ内の水をかき出していく。
ほかの難民たちが残した荷物から水や食料、電動ドリルなどを集めていると、電話がかかってきた。
電話の相手はニコ。
彼は道中でトラックから降ろされたために生きていたのだ。
ミアが現在の状況を伝えると、ニコは何か策を考えてまた連絡すると約束した。
その夜、再び嵐がやってきた。
激しく揺れるコンテナのなかでミアは産気づき、苦しみながらもどうにか無事に女の子を出産。
以前ニコが提案したとおり、ノアと名付けることに。
ただ途中で携帯電話を水のなかに落としてしまい、ニコと連絡がとれなくなってしまった。
こうしてはじまったノアとの漂流生活。
極限状態でミアは追いつめられていく。
スマートフォンにSIMカードを差し替えて使おうとしたが、画面が割れていてロックをうまく解除できない。
ついには水も食料も底をつき、胎盤すらも食べた。
ミアはコンテナから脱出するため、電動ドリルとナイフを使って天井に穴をあけはじめる。
しかし、もう少しで出られるというところで電動ドリルが壊れ、ナイフも折れてしまった。
限界を迎えたミアは、夢のなかで過去に失った娘・ウマとニコに会う。
目を覚ますと天井の穴から雨水が流れてきていた。
水を手に入れたことで気力を取り戻したミアは、天井の穴をどうにかこじあけ、コンテナの天井の上にのぼることに成功。
見わたすかぎり海が広がっていたが、ひとまずコンテナから脱出できたことに安堵するのだった。
希望と絶望
空を見上げると、1機のヘリコプター。
ミアはヘリコプターに気づいてもらうため、コンテナのなかにあるテレビの液晶を使って光を反射させようと考えた。
あわててコンテナのなかへ戻り、液晶を持って再び天井の上にのぼろうとしたそのとき。
穴の切り口で太ももを大きく切り裂いてしまう。
痛みにもだえながらも必死に助けを求めるが、ヘリコプターに気づいてもらえなかった。
太ももの傷は深く、放っておくわけにはいかない。
そこでテレビの基盤から針状の金具と銅線を取り出し、麻酔もない状況で傷口を縫い合わせた。
その後、ミアはイヤホンをつなぎ合わせて網をつくった。
ノアのオムツとして使った布をこの網に入れて海へ沈め、魚を捕まえることに成功。
生きるため、生魚にかぶりつく。
そしてノアの世話をし、魚を捕まえ、コンテナ内の水をかき出す生活を続けて数日が経った。
たくさんのプラスチック容器に助けを求めるメモを入れて流したが、助けはこない。
漂流生活12日目の夜、ニコから電話がかかってくる。
ミアは割れたスマートフォンの画面を必死に操作し、なんとか電話に出ることができた。
電話口のニコは苦しそうな声で「助けに行けなくなった」と話す。
実は、彼はミアを助けるため別のボートに忍び込んだのだが、警察に見つかって銃で撃たれてしまったのだ。
ミアはノアが無事に生まれてきたこと、ノアの様子などを伝える。
そして「昨日より愛してる」と言うと、いつものように「でも明日以下だ」と答えるニコ。
ここでスマートフォンのバッテリーが切れ、それが最後のやりとりとなった。
結末
漂流生活26日目。
コンテナ内の水位はかなり上がってきており、天井の上で過ごすしかなくなっていた。
ミアがプラスチック容器をつなぎ合わせてイカダをつくっていると、カモメが飛んでくる。
カモメがいるということは、陸が近づいているということだ。
しかし、夜になってコンテナがとうとう沈みはじめた。
ミアはノアをイカダに乗せると、ニコの形見とウマの写真を取りにコンテナ内へ潜る。
荷物に足をとられている間にもどんどん沈んでいくコンテナ。
どうにかコンテナから脱出すると、先ほどまでいたはずのノアの姿がない。
イカダに乗ったまま流されてしまったのだ。
ミアはノアの名前を叫び続けるが、どこにいるのかわからない。
そこへ泳いできたクジラが潮を噴き上げた。
潮に驚いて泣きはじめるノア。
ミアはその声を頼りに娘をさがし、無事に再会した。
それからしばらく漂流を続ける2人。
ミアは気力をふりしぼってイカダにしがみついているが、すでに限界は近い。
それでもプラスチック容器に入れていた魚を海へまき続ける。
やがて2人のまわりにはたくさんのカモメが集まってきた。
それに気がついた1艘のボートが近づいてくる。
イカダは引き上げられ、ノアは保護された。
しかし、ミアの姿はない。
ノアを保護した夫婦は、イヤホンを編んでつくられたロープがイカダにくくりつけられていることに気がつく。
ロープを引き上げると、すでに息絶えたミアの姿が。
夫婦が懸命に心肺蘇生をほどこすと、ミアは息を引き返した。
こうしてミアとノアは無事に救助されたのだった。
Netflix映画『ノーウェア:漂流』の感想【ネタバレあり】
赤ちゃんを連れて過酷な状況を生き抜くなんて、絶望感しかないですよね…。
ところが、本作では赤ちゃんがいたからこそ無事に生還できました。
か弱い小さな命が生きる希望を与えたからです。
序盤のミアはどこか頼りなく感じたのですが…。
スマホのバッテリーを節約しないといけないのに、ニコとの通話を切ろうとしないあたりとか。
でも、守るべきものができた人間は強くなれるんだなぁと思いました。
コンテナのなかに使えそうなものが何もないと思いましたが、工夫しだいでいくらでも使い道がありました。
伏線回収のようにどんどんアイテムを召喚していくのが気持ちよかったです。
特にイヤホンを結い合わせて網をつくるのは天才的な発想でしたね。
どんなものでも使って生き残ろうとするたくましさを感じました。
それにしてもコンテナの切り口で足を切るシーンが痛々しかったです。
からの自分で傷口を縫うシーン。
描写が生々しすぎて思わず声が出ました。
不意打ちのゴアシーンだったね。
ラストは2人とも保護されてハッピーエンド。
ノアがクジラに飛ばされていなくなってしまうのかと思いましたが、2人とも無事でした。
作中では時代背景についてあまり語られませんが、資源が枯渇しているせいで妊婦や子どもが犠牲にされているようです。
救出してくれた夫妻と言葉が通じなかったということは、どこか遠い国にたどりついたということですよね。
2人には女性も子どもも元気に生きていける平和な国で生きてほしいものです。
Netflix映画『ノーウェア:漂流』ネタバレ&感想まとめ
今回は、Netflix映画『ノーウェア:漂流』のネタバレあらすじ&感想を紹介しました。
懸命に生きようとする人間のたくましさを感じられる本作。
ひとりではか弱い存在でも、我が子を守るためならどこまでも強くなれるんですね。
緊張感がありながらも、心あたたまるストーリーでした。